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ddd 207

21世紀琳派ポスターズ 10人のグラフィックデザイナーによる競演

  • 琳派400年を記念してgggで開催された企画展の巡回展。第一線で活躍するデザイナー10人に琳派からインスパイアされたポスター作品の制作を依頼。動植物を描いたもの、扇面をモチーフにしたもの、曲線にこだわったもの、金箔を使用したもの、風神雷神図をイメージさせるものなど、デザイナーが各自で解釈できる表現したユニークかつバラエティに富んだ“21世紀琳派”の競演となった。B倍サイズ4連の作品を、銀座とは異なり屏風仕立てに立て一堂に展示。ガラス面を使った解放感ある白い空間では、適宜座って鑑賞できる什器も設置。琳派の生まれた京都ならではのきらびやかかつ落ち着きのある展示空間を演出した。

  • ID

    ddd_207

  • 展覧会名

    21世紀琳派ポスターズ 10人のグラフィックデザイナーによる競演

  • 開催期間

    2016年04月04日–2016年05月13日

  • 展覧会タイプ

    gggからdddへの巡回展

  • 会場

    ddd太秦 (京都)

  • ポスターデザイン

  • 展示デザイン

  • 2016年04月07日
    講演 1
    京都dddギャラリー

    2015年「琳派400年」で盛り上がった京都で各種イベントに多数登壇された河野氏による講演。冒頭、dddの本展も現代のグラフィックデザイナー10名が琳派にインスパイアされた素晴らしい作品だとコメントを頂く。レジュメに基づき、パイオニアである俵屋宗達・本阿弥光悦、第二世代である尾形光琳・尾形乾山、江戸に移っての第三世代酒井抱一・鈴木其一、第四世代の神坂雪佳、そしてコンテンポラリーな琳派へと連綿として受け継がれてきた事を解説。これは狩野派とは異なり、「私淑」という独学自習によるもの。これによりコピーではなく、エッセンスとして取り入れられたため、氏は「定義出来ないのが琳派である」とも言う。交流のあった田中一光は「琳派作品は利用しやすいため、麻薬の様に自分を失い易い」と語ったという。後半は琳派主要作品の解説で、参加者は知的欲求を十分に満足させる事ができたと思う。

  • 2016年04月23日
    講演 2
    京都dddギャラリー

    東京藝大で31年差の先輩・後輩である2人は、互いに認める数少ない信頼できる関係。もっぱら服部氏が聞き役となり、様々な話題をフリートークする形式で展開。まずは仲條氏にとって久しぶりの京都を含めた関西の思い出話に花が咲いた。普段の仕事では特に日本的なモノを意識していないお二人が今回の作品づくりにどう臨んだのかを語った。展示構成を担当した服部氏は、敢えて狭い空間で見せようと苦心したgggの展示には批評もあったが、dddの屏風仕立ての展示は、会場のガラス窓とも相俟って解放感が出て上手く行ったと話す。その後、互いのデザインに関する拘りを披露され、仲條氏は翌年に迫ったgggでの展覧会の準備に苦戦する様を面白おかしく語られた。最後に若い参加者からの質問にも明快に意見を述べて終了。その後は、それぞれに行列を成す大勢のファンからのサインの求めに応じていた。

会場写真

展示記録・撮影: 吉田 亮人

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