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ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて

  • 壁面には氏が50年以上に渡って手がけた展覧会その他のポスターを掲示。当然、DTP 以前と以降の作品が含まれ、その区分を掲出間隔で示した。またアムステルダム市立美術館の仕事を通じて初めてグリッド・システムを用いたポスターを拡大したシートと共に象徴的に掲出。展示台には大変貴重なニューアルファベットのスケッチ類をはじめ、切手、カレンダーなどの作品を展示。柱には彼が担当した各種展示会の風景写真やVI作品群も掲げ、彼の幅広い分野における業績の全容を初めて日本で伝える展覧会となった。

  • ID

    ddd_215

  • 展覧会名

    ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて

  • 開催期間

    2017年12月14日–2018年03月17日

  • 展覧会タイプ

    dddからgggへの巡回展

  • 会場

    ddd太秦 (京都)

  • 2022年07月05日
    特別講義 白井敬尚「グリッドシステムの成立とその意味」
    京都dddギャラリー

    白井氏による4時間近くに及ぶ講義。始めにグリッドとは活字サイズ・行送りで決まるブックフオーマットを司るユニットシステムである事を概説。日本では1950年台より導入、様々な用例についてグリッドで解析。第2 部は、写本から引き継がれたブックフオーマットとしてバチカンの聖書に始まり、グーテンベルクの42行聖書を経て、維新後の日本にまで連なる500年の様々な書体とレイアウトの歴史を解説。第3部は、視覚言語とテクノロジーにより再考されたモダンタイポグラフィ、ブックフォーマットとして新聞書体や広告用書体他を紹介。第4部は、秩序・機能・合理・汎用性を求めたグリッドシステムの成立、第5部は直近のグリッドの細分化と重層化、解体から回帰、言語の画像化・音源化等の事例をいずれも豊富なスライドで解説。質疑応答では参加者からの具体的な質問も多く白井氏が丁寧に回答を行った。

  • 2017年12月14日
    ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて①
    京都dddギャラリー

    本展キュレーターのカロリン女史がクロウエルの略歴を概観。1928年生まれ。印刷会社勤務でアマチュア画家・写真家の父親に影響を受ける。彼が学んだアカデミア・ミネルヴァやリートフェルト・アカデミーで機能主義による教育を受けた.社会問題を解決する為、写真の使用を奨励された。最初に勤務したエンダーベルフでスイスデザインと出会い、当時オランダに無かったサンセリフ等のフォントに感銘。1963年幅広い分野に対応するトータルデザインの共同設立者となり、1970年大阪万博ではオランダ館を監修。アムステルダム市立美術館の仕事では作家達を解釈したポスターを制作。要求の多い美術館の仕専から有 名なグリッドシステムによるポスターが生まれた。彼は現実を単純化し過ぎているとの批判とも長年戦い、最後に彼の「私は美的な事に囚われてしまうエンジニアだ」という言葉で締め括った。

  • 2018年03月03日
    ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて②
    京都dddギャラリー

    クロウエルと親交のある氏による本展タイトルを踏まえた「ウィム・クロウエルに魅せられて」と題されたトーク。始めにモンドリアン作品を水平と垂直の美の例に、ニューアルファべットに連なる様々なフォントを紹介。ニューアルファベットに魅了され、無許可で自分の年賀状に使ったと言う。1966年氏が働く大阪のデザイン事務所の同僚ウィル・ヴァン・サンピークがクロウエルと繋ぎ、1970年の大阪万博でオランダ館を監修するクロウエルと初対面。その後のトータルデザイン訪問やアムステルダムのプリント博物館での氏の展覧会開催時の交流等を披露。クロウエルのアムステルダム市立美術館の同じグリッドによる変化に富んだポスター作品や依頼した各種寄稿文の数々、そして氏が担当したggg Books掲載のクロウエル略歴に基づくクロウエルの仕事等を愛情深く解説。氏とクロウエルの人柄に触れる内容であった。

  • 2017年12月05日
    ウィム・クロウエルグリッドに魅せられて特別講義 佐藤淳「ウィム・クロウエル:オクタヴォとの4年問」 カロリン・フラーゼンブルグ「ウィム・クロウエル:アムステルダム市立美術館グラフィックデザインコレクションにおける重要性」
    京都造形芸術大学 智勇館(現 京都芸術大学)

    佐藤教授は1984年ロンドンに設立のデザインユニット、オクタヴォとクロウエルの関係を自身のコレクション画像等で解説。オクタヴオ発行の「タイボグラフィジャーナル」の読者ハガキでクロウエルは関係を構築。1988年発行の第5号ではオランダの小文字主義特集が組まれ寄稿。クロウエルがポイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館の館長就任後、ポスター、カタログ等を発注。退任前にはオクタヴォの展覧会を提案し開催された。カロリン女史は、多くの写真を使い1895 年に設立されたアムステルダム市立美術館について解説。52カ国30分野に及ぷ膨大な収蔵品の中から、作品を紹介。後半は歴代館長別の美術館の経営施策や新築の為の移転を経て2012年オープンの現在の美術館別館を建築家のクロウエルの息子が設計した事にも触れ、いかにクロウエルがこの美術館に重要な人物であるかを語った。

  • 2018年02月10日
    特別講義「グリッドシステムの成立とその意味」
    京都dddギャラリー

    白井氏による4時間近くに及ぶ講義。始めにグリッドとは活字サイズ・行送りで決まるブックフォーマットを司るユニットシステムであることを概説。日本では1950年代より導入、様々な用例についてグリッドで解析。第2部は、写本から引き継がれたブックフォーマットとしてバチカンの聖書に始まり、グーテンベルクの42行聖書を経て、維新後の日本にまで連なる500年の様々な書体とレイアウトの歴史を解説。第3部は、視覚言語とテクノロジーにより再考されたモダンタイポグラフィ、ブックフォーマットとして新聞書体や広告用書体他を紹介。第4部は、秩序・機能・合理・汎用性を求めたグリッドシステムの成立。第5部は直近のグリッドの細分化と重層化、解体から回帰、言語の画像化・音源化等の事例をいずれも豊富なスライドで解説。質疑応答では参加者からの具体的な質問も多く、白井氏が丁寧に回答を行った。

会場写真

展示記録・撮影: 吉田 亮人

関連項目

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